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「し、真くん!?起きていたんですか!?」
触れ合ったばかりの唇を隠しながな数歩後ずさる。
「あ、あ、あわわわ」
今更ながら自分の行動の恥ずかしさを実感したようだ。
「おはようごさいます」
「おはよう乙葉」
「え、えーとこれは、新婚起こしと言いまして」
「分かってるよ。ありがとな」
頭にポンと触れるとそのまま乙葉は小さくそして真っ赤になりながら縮こまった。
「真くん。今日も1日よろしくお願いします」
乙葉は少しだけ照れくさそうに笑うと俺との距離を詰める。
「ん?」
「大好きです」
乙葉が自ら俺と唇を重ねる。
「え?え?」
今度は俺が動揺する番だった。さっきはあんなに躊躇していたのに、今度はこれだ。
「寝てる時はあんなに躊躇してたのに、起きてる時は平気なんだな……」
「だって真くんの彼女ですから」
理由になってない気がするけど、まあいいか。
「レイカさんも天草さんも、もう起きてますよ」
「うん。分かった。早くリビングに行こうぜ」
「はい」
新婚さんみたいなやり取りを繰り広げながら、今日も俺達の1日が始まる。
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