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リビングに入って一番に目に入ったのは本当の新婚さん達だった。
「志郎、あ~ん」
「うん。ありがとう」
隣同士で座り、いかにも新婚さんなやり取りを繰り広げている。
天草さんは先週の結婚式以来、この家で寝食を共にしている。
例の空き地に新しい家が建ったら本格的に新婚生活を始めるそうだけど、俺の目の前ではもう十分な程に始まってる気がする。
「今度から時々志郎の事をあなたって呼ぼうと思うんだ」
「良いんじゃないかな。その時は僕がレイカをおまえって呼ぶのかい?」
「良いぞ!それは凄く良い!な、なんだか私興奮してきた」
口移しでもしそうな勢いで天草さんに抱きつく。
朝っぱらから欲情しないで頂きたい。
「レ、レイカ、真くん達も見てるから。おはよう真くん」
「お、おはようございます」
「おう、真!おはよう!ちょっと待っててくれ。今から志郎と一発する所だから」
「一発って何するつもりですか!?」
俺の後ろから話を聞いていた乙葉が現れる。
「あの……私もその一発って何なのか気になります」
これは嫌な予感がする。
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