第3話

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「でも、心配しなくていいよ。ちゃんと明里と話し合って俺が解決する。何もしなくていいんだよ」 こう言えば、慎二がしばらく何も出来ないのを見計らっての言動だった。 ………話し合いなんてしないよ。 今、面と向かって話せば、明里を殺してしまいそうになる。 あいつの『裏』を見たんだ。俺も『裏』を見せたって構わないだろ? 案の定、慎二は悔しそうに「……そっか」と呟いたきり、何も言わなくなった。 俺は、作り笑いをしてフェンスにもたれ掛かり、空を見上げた。 何が正しくて何が間違ってるのかわからない。 一つ言える事は 俺は慎二を地獄に落とそうとしているって事だ。 ……この時に、慎二が本気で俺の事を嫌って怒鳴り散らしてくれれば、俺も怯んで何も実行しなかったのかもしれない。 俺は臆病だから、慎二の優しさに甘えて、最悪な選択肢を選んだ。 俺は、泣きながら目を閉じた。 ―――――それからは簡単だった。 大和に明里を紹介し、二人を遊ばせた。 大和は、顔はそんなに悪くなかったから、明里も誘われて断らなかった。 そして、慎二にそれを話して、後は慎二に任せた。 慎二の性格上、大和に喧嘩を売るのはわかっていたからな。 後は知ってるだろ? そして、俺の思惑通り、慎二の評判は下がっていった。 その後は笑える位に、俺が望んでいた展開だった。
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