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「あんたは関係ないだろ!黙ってろ!」
春樹さんに怒鳴られて、肩をすくめる。
春樹さんは慎二をじっと睨んでいた。
あの時を思い出したんだろう。
慎二はきっと、罪悪感でいっぱいになっていると思う。
そして、慎二が口を開いた。
「悪い…………何も知らなくて……俺」
「今更謝られたって遅いんだよ!!馬鹿みたいにヒーロー面して俺を守った気になってたんだろ!?」
春樹さんは、慎二の胸ぐらを掴んだ。
その瞬間、慎二の目付きが変わった。
とても冷めた目をしていた。
春樹さんは一瞬怯んだけど、すぐに慎二を睨み返した。
「んだよ……なんだよその目は!!言いたい事あるなら言えよ!!」
春樹さんは、胸ぐらを掴んだまま慎二を壁に叩きつけた。
あたしは息を呑んで、慎二の側に行こうとした。
「慎二っ……!」
「来るな!!」
そう言われ、足を止める。
春人さんに肩を掴まれて、あたしは見てるだけしか出来なかった。
慎二……
「本当に今も昔もウザい奴だなお前はよ……知らないフリして実は知ってたんだろ?俺の事バカにしてたんだろ!?」
春樹さんが肩を震わせながら叫ぶ。
慎二は黙って見てるだけだった。
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