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「僕は、謝られる権利はないよ。君に誘われて、乗ったのは僕だ。だから謝るなら彩香に謝ってあげなよ」
春人さんは気まずそうにそう言った。
でも、あたしはもういいんだけどな……
春樹さんが、あたしに向かってまた頭を下げようとしたから、あたしは慌てて春樹さんに言った。
「もういいよ。二度とこんな事しないって、約束してくれるならいいよ」
春樹さんは何度も頷いた。
慎二は優しくそれを見ていた。
本当に終わって良かった。
もう春樹さんは、慎二に対して憎しみの感情は持っていない。
多分、春人さんは、あたしにちょっかいをかけて来ないと思う。
あたしは別に春人さんの事は嫌いじゃないけど……
「慎二……俺、大和みたいに変わるよ。もう誰も陥れたりしないから。また遊んでくれる?」
春樹さんは、照れ臭そうに慎二に言った。
慎二は、すごく嬉しそうに頷いた。
「当たり前だろ。いっぱい遊ぼうぜ」
春樹は微笑むと、春人さんの方を向いた。
「君も本当にごめんね。もうこんな事しないから……君とも仲良くしたい。友達になってくれる?」
「僕が……?いいのかい?」
春人さんは、驚きながら春樹さんを見た。
春樹さんが笑顔で頷くと、春人さんは困ったように慎二を見た。
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