第3話

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「また……一緒に学校行けるんだね……!!」 涙を流しながら笑顔で言う。 慎二は照れ臭そうに笑って、小さく頷いた。 「お前、俺がいないと駄目だろ?俺が側にいてやるから感謝しろよ」 慎二が上から目線でそう言った。 あたしは嬉しくて、何度も首を縦に振る。 本当に嬉しい。 慎二が学校に戻ってきてくれた。 また一緒に勉強出来るんだ。 あたしが嬉しくて慎二に抱きつこうとした時だった。 春樹さんが慎二の胸ぐらを掴んで笑顔で言った。 「前言撤回。やっぱり死ね慎二」 「うわっ!ちょ、春樹!?」 春樹さんは、イタズラっ子のように笑いながら、慎二のほっぺをつねった。 慎二も笑いながら、春樹さんのほっぺをつねった。 春人さんは笑顔でその光景を見ていた。 ……良かったね。慎二。 春樹さんと仲直り出来て、本当に慎二は幸せそうだった。 あたしも、友達と喧嘩したままじゃ、きっと立ち直れないと思う。 千果や美嘉。 恵美ちゃんや、神宮寺さん達と、あたしも仲良くしていきたいな。 …………あれ? そういえば、神宮寺さんって確かあたしと同じクラスよね? 見ないと思ったら一回も登校してきてないな…… 何かあったのかな?
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