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「海原君!?なんで学校にいるの?」
あれから、皆で一緒に教室に戻った。
春樹さんは、普通に学校に入って来たらしい。だから普通に帰って行った。
……それなら春人さんに制服借りなくても良かったんじゃ……
まあ、本人が笑顔で「バレなかった」って言ってるし、良しとしましょう。
この学校の警備が薄すぎて心配になるけど……
恵美ちゃんは、びっくりしながら此方に走ってきたかと思えば、春人さんを蹴り飛ばした。
「恵美ちゃん!?」
「お前、なに彩香の隣に平然と立ってんだ?そこは海原君の特等席だろうがァァァ!!」
いや席じゃないし。
なんてツッコミは心の中でして、春人さんの方を見た。
春人さんは、フッと笑うと恵美ちゃんの肩に手を置いた。
「もう僕は、彩香に求愛したりしないよ。僕は常に自分を一番に見てほしいからね。旦那がいるなら仕方ないだろう?僕は、二番目じゃ物足りないからね。それ「なに気持ち悪い事べらべら喋ってんだこのナルシストォォォォォッ!!!」
「うぐっ!!」
春人さんに、アッパーを食らわせると、恵美ちゃんは満面の笑みで慎二を見た。
「なんかよくわかんないけど、退学取り消しになったのよね?あんま難しい事はわかんないから説明しなくていいわよ」
「ま、まあそんなところ……」
目の前で、恵美ちゃんの暴れっぷりを見て、慎二も顔が引きつっていた。
春人さんは、打たれ強いのか、恵美ちゃんから少し離れた所で平然と立っている。
頭から血が出てるけど、本人は気づいてないみたいだ。
「あ!安心してねっ!海原君がいない間、彩香はあたしが守ってたから!」
「あ、あはは……」
もう笑うしかないって慎二の顔に書いていた。
あたしも引きつりながら笑った。
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