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「ぐすっ……わかるわ……わかるよその気持ち……ウザいよね……お父さんウザいよね……!」
「……貴方、何泣いてらっしゃるんですの?」
あまりに感情移入してしまって、号泣しながら話すあたしを、皆が不思議そうな目で見てきた。
なんとか助けてあげたい。
あたしは、慎二をチラッと見ると、携帯を握った。
「神宮寺さん待ってて!絶対に助けてあげるから!!今日、放課後家に行くね!」
「ほ、本当ですの?お父様を説得してくださいますの?」
「任せて!こっちには慎二がいる!」
そう叫んだ時、慎二がぽかんとしながら「え?」と間抜けな声を出した。
神宮寺さんのお父さんは、慎二の事を知ってるはずだもの。
慎二が「学校に行かせてあげて下さい」って言ったらきっと行かせてくれるに違いない。
そうと決まれば善は急げ!早速、今日の放課後に神宮寺さんの家にレッツゴー!!
「放課後に家に行くから、お父さん仕事で忙しいかもしれないけど、家に居るように伝えてね!!」
「……心配しなくても、私が風邪の間は、仕事を休んで一日中家にいますわ。」
「よし!!待っててね!!」
そう言って、電話を切った。
恵美ちゃんは、好奇心からか目をキラキラさせながらあたしを見ているのに対し、慎二と春人さんは、頭にハテナマークを浮かべながらあたしを見ている。
何故か燃えた。
過保護過ぎる親を持つと、色々苦労する。
あたしには痛いほどわかる。
あたしは、深呼吸して三人に事情を話した。
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