2506人が本棚に入れています
本棚に追加
「海原君、行くわよね?」
有無を言わさぬ笑顔でそう言われ、慎二は渋々頷いた。
恵美ちゃんは、満足そうに頷くと、春人さんを睨んだ。
「あんたも来んのよ。危ない事があったら盾にするから」
「絶対に行きたくない理由だね。嫌だって言ったらどうするんだい?」
「今ここで捻り潰す」
「……わかったよ」
春人さんは、やれやれと言った感じで頷いた。
なんか、なかなか良いコンビじゃない?
なんて思ったけど、これを口に出したら、恵美ちゃんに捻り潰されることが目に見えてたので、言葉を飲み込んだ。
急に慎二が、あたしの頭の上に手を置いた。なんだろうと慎二を見ると、めちゃくちゃ此方を睨んでいた。
「言っとくけど、面倒な事になっても知らねえからな。相手は金持ちだぞ?何されるかわかったもんじゃねえ」
心底嫌そうに言うから、あたしは頬を膨らませながら言った。
「いいもん。何かあったら慎二が助けてくれるもん」
「…………はあ……」
慎二は、ため息をつくと、自分の席に戻った。
神宮寺さんだって学校に来たいのに行かせてくれないなんて可哀想じゃん。
ここで助けてあげなきゃ、友達じゃないでしょ!!
―――そして放課後、わくわくした女性陣と、やる気の無い男性陣が揃った。
最初のコメントを投稿しよう!