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「…この学園の入学式に出席出来る程の皆さんであればこの校則の意味がお分かりになられると思いますが…簡単に言えば'生徒会の言葉を守り、学園から出ない'ということです。過去に何百という生徒がこの校則を破り、罪人となりました。…皆さんも、気をつけて下さいね。大丈夫、校則を守って普通に生活していれば何も起きませんから」
蓮は笑顔で言う
しかしその笑顔は明るいものではない
冷たい、と言うよりは、黒い、と言った方が正しい笑顔であった…
――――
―――
――
蓮が新入生へ話をしている時と同じ頃
入学式の会場となっている学園体育館にある一室では、とある部の部員達が楽しそうに新入生の様子をモニター越しに見ている
「新入生の子達ちょっと怖がってるだろうねーっ、旦那っ」
「そうだな真里亞。あの人の言い方はどこと無く怖いとこあるからな。あ、その菓子美味そ…ちょっと僕にも寄越せ」
この'真里亞'と呼ばれている少女の名は'鳳真里亞'
今年度普通科中等部の三年だが、よく一年に間違われる程の身長の低さと童顔の持ち主である
真里亞は、ハニーブラウンの肩の下辺りまでの長めの髪に黄色い王冠の付いたピンを着け、左目には赤い薔薇の刺繍の入った黒い眼帯をしている少女だ
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