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私のこれからは由紀ちゃんとの思い出でいっぱいになっていく。きっと・・・・・・。
そう思っていたのに。
神様が本当にいるなら、意地悪すぎる。神様は、大事な由紀ちゃんを連れて行った。たった1日のデートすら叶わない夢になった。
由紀ちゃんは、私とのデートの待ち合わせに向かう途中、道路を横切ろうとして、トラックに跳ねられた。
「即死だったって・・・・・・」
「まだ、中2なのにね・・・・・・」
「かわいそうに・・・・・・」
お葬式に来ている人たちがひそひそ言っていた。
由紀ちゃんのお父さんもお母さんも、親戚の人も、学校の友達も、みんなみんな泣いていた。どうしてそんな簡単に泣けるの? そう思いながら、私はぼんやりとその様子を見つめていた。
由紀ちゃんが死んだことを、そんなに簡単に認めないで・・・・・・。
認めたら、由紀ちゃん本当にいなくなっちゃうよ。こんなの嘘だよ。やめて! こんなお葬式、見たくもないよ! 心の中で叫びながら、私は走り出していた。
「故人との最後のお別れです?皆さんで花をお棺にそえてください・・・・・・」
後ろのほうでそういうのが聞こえたけど、振り返らなかった。
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