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最後のお別れ? 冷たくなった由紀ちゃんに花を添えるの?
そんなの怖くてできないよ。
背はまだ低いけどバスケがうまくて、負けん気が強くて、憎まれ口をすぐたたくけど、本当はすっごく優しくて・・・・・・。それが由紀ちゃんだもん。花にかこまれて、目を二度と開けない由紀ちゃんなんて、私は見たくない。こんな現実、認めない。
「じゃあ明日、いつもの空き地に午前10時! 遅れるなよ?」
最後の由紀ちゃんの言葉が、頭の中で何度も繰り返された。
由紀ちゃんといられるなら、何を失ってもいいと思った。そんな考えだったから、バチが当たったの?
気づくと、由紀ちゃんがいつも1人でバスケの自主練の練習をしていた空き地に来ていた。
ここに来ればいつも由紀ちゃんに会えた。デートの待ち合わせだって、ここのはずだった。なのに由紀ちゃんは来なかった。
意地悪な神様。ひどい神様。最低な神様。
何に怒っていいかわからなくて、私は全部神様のせいにした。
いっそ神様なんていないって思うのは簡単だけど、それでも私が神様を信じるのには理由がある。
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