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そう思うと、自分と目線を合わせようとしない英絵に何だか腹が立ってきた。
(優しくしなくていいってこと?てかそもそも何で私コイツに気使ってんの)
あーなんか、無性にムカツいてきた。
梓はイスから立ち上がり、今だ泣き続ける英絵の前に立つ。そして。
英絵の目線にまでしゃがんで、左手で勢い良く英絵の頭を掴んだ。
「いい加減こっち見ろってんだよ……」
至近距離から地を這うようなドスの効いた声でそう言われ、英絵は顔を跳ね上げた。
悪そうな顔でにやり、と笑う梓に、きっと英絵は生命の危機を感じたに違いない。
やはり、幼い頃から『いじめっ子』の地位を確立している梓にとって、根っからの『いじめられっ子』体質の英絵に優しくすることは容易なことではないらしい。
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