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「今回の伴奏の子はいい子だし、話のわかる子だから大丈夫。ハナのわがままだって何とかしてくれるわ。
私だって、伴奏の子との合わせまでは練習付き合ったげるから」
「了解です!」
楽譜を閉じながら言う梓に、英絵は元気に返事をしてから敬礼してみせる。
英絵のすっきりした表情に、梓は満面の笑みを見せた。
(天使だ……ここに天使が降臨なされた……!)
持ち前の美貌もあり、笑った梓はそれはもう可愛いのに、なぜ梓は滅多に笑ってくれないのだろう。
というより、いつから笑わなくなったんだろう?
小さい頃は誰にでも笑顔を絶やさない、近所でも有名な可愛いエンジェルだったのに……。
幼い頃の梓を思い出し、惚けだしたハナを余所に、梓は今日使った楽譜を英絵の譜面台からとり、英絵に差し出した。
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