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桜の花も散り終わり、もう青々とした葉が茂る五月初旬。
長期休暇によって人気もなく、しんと静まり返ったここ、互稜高校音楽科音楽棟。
だが二階の第六練習室から、僅かにヴァイオリンとピアノの音がもれ、数人がそこに居ることが分かる。
その音の主である宮城英絵のカレンダーに、ゴールデンウィークなんてものはなかった。
「………もう、死ぬ…」
長期連休五日目の、夕方になる少し前。英絵はついに『相棒』を抱えてへたりこんでしまった。
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