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うむ、思った以上にいい出来だ。
これなら快適に過ごせそうだ。
私がそう思って感慨に耽っている時だった。
ふと下を見てみると、山から数十の有翼種が私の方にやってきていたのだ。
もまなくして私を取り囲んだ有翼種らは、リーダーであろう、他とは少し違う服装の者が前に出てきた。
「警告する!
ここは私達天狗と、他妖怪らの縄張りである!
用無き者は即刻ここから立ち去れ!」
「ふぅむ。
私はたった今我が住居であり、拠点となる物を作っていただけなのだがね。
何がどうして、そうも私をここから遠ざけようとする?」
「それは、貴様からありえない位の力を感じ取ったからである!
それ程の力がここにあることは害悪にしかならないゆえに、だ。」
「そうか。
しかし、君達のその判断は少し間違っているよ。
害悪にしかならないんじゃない……悪そのものなのだよ。」
私はそう呟き、『パンドラ』から取り出した、何の装飾も変哲も無い、唯の長くて黒くて太い棒を片手で持ち、瞬きの為に目を閉じたその瞬間を狙って移動、腹部を思い切り横薙ぎに吹き飛ばした。
吹き飛ばされた天狗リーダーはそのまま気を失い、地表へと落ちていった。
「「「た、たいちょぉぉぉぉ!!」」」
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