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おやおや、大して力も込めていない横薙ぎであそこまで吹き飛ぶとは、何たる事だ。
これでは本当に力を込められないではないか。
「き、貴様!!
隊長を吹き飛ばすとは、一体何者だ!!」
「ふむ、私が何者か、か。
私は、悪であり、闇であり、陰であり、裏の根源のようなモノ……そうだな、私がいた長居していた世界では魔王と呼ばれていたよ。」
私の言葉にざわざわとざわめく天狗達。
そんなに魔王が珍しいか?
「さて、実質的な実力者である体長とやらを倒したことだし、私は適当に何処かに行きたいのだが?」
「あ、あぁ。
どことなりともいってくれ。
と言うより行ってください。」
「そうか、それは助かる。
それじゃあ、今度からはむやみに包囲しようだなんて思わないことだ。」
私はそう言い残して新居へと入ろうと思ったが、言い忘れていたことが一つあった。
「そうそう。
私が吹き飛ばした隊長とやらは、かろうじて生きているようだから、助けたいのならば急いだほうがいいと思うぞ?」
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