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「仕方ない……いいぞ。」
「ありがとうございます!!
では……。」
その言葉を皮切りに怒涛の質問攻めが始まった。
始めは名前から始まり、何歳なのか、どこからきたのか、何をしていたのか、種族は何なのか、など様々な事を聞かれた。
それに対して私は、ある程度の事をはぐらかしながらも喋った。
なんせ真実を全て話したら危ないから、な。
それから数時間もすると、質問の内容に満足したのか、大人しくなってくれた。
外を見てみると、既に日は完全に落ち、辺り一面が闇に覆われている。
「いやはや、今日はありがとうございました。
おかげでいい記事が書けそうです。」
「そうかい……。
じゃあさっさと帰ってくれないか?
私はもう寝たいのだが。」
「あやややや、それはすみません。
すぐに帰りますね。」
「…………でも出口を知らんだろうが。」
ということで、出口まで送ってさっさと帰ってもらった。
去るときに「また来ますね。」何て言われたが、二度とくるなと言ったのは言うまでもない。
ここにきて初日なのに早速面倒な事になったなと、思ってしまう魔王であった。
翌日。
扉の隙間に挟まれた新聞には、
『幻想郷に空飛ぶ城が出現!!
そこに住んでいるのは始まりの魔王!!』
という見出しが書かれていたのだった。
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