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どんどん奥に進むが、中々珍しい物が見つからない。
見つけれたものといえば、赤と白い斑点模様のキノコと、傷の回復に使える薬草が数種類と言った所だ。
「仕方ない……。
大した物も見つからないし、帰るとするか。」
そう呟いて帰るために空を飛ぼうとした。
その時……
「ん?お前誰なんだぜ?」
森の中から一人の少女が出てきたのだ。
その少女の見た目は、言うならば白黒(モノクロ)。
もっというなら白と黒で纏めた魔女ルックの女の子だった。
「私か?
私は魔王、名前は元からない。
それよりも、君こそ何者だい?」
「私は霧雨魔理沙。
普通の魔法使いだぜ。」
『普通』の所に少し引っ掛かるが、まぁいい。
「しかし魔王って……あぁ、射命丸の新聞に載ってたあの城の持ち主か。
その魔王が一体この森に何の用なんだぜ?」
「いや、何。
この森に私の見たことの無いようなものが有ると思って来てみたのだが、中々見つからなくてね。
そろそろ帰ろうかと思った所だよ。」
「そうだったのか。
それじゃあ、これから暇だよな?」
そう霧雨魔理沙に問われ、思案する。
「そうだな……。
このまま帰っても、特にこれといってやることは無いな。」
「じゃあ、私が今からすることを手伝ってくれないか?」
「内容によるが…………。」
「なぁに、簡単だぜ。
ただ本を『狩り』に行くのを手伝ってくれればいいだけさ。」
そういう彼女は、ニヤリと口角を上げて笑っていた。
「別に構わないが、いつ?」
「今からに決まってるぜ。」
「そうか。」
それだけ聞くと私はポケットに手を突っ込んだまま、地面を軽く蹴って空に飛び上がり、それに続いて霧雨魔理沙が箒に跨がりながら飛んできた。
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