魔王は幻想入りした。

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「それにしても……。」 と、そういいながら紫が私をじろじろと見てくる。 私には見られて興奮するなんて奇特な性癖は無いんだが? 「何だ? 何か私の姿におかしな点でも?」 「いえ、前見た時と全く変わらないなと、ね。」 ちなみに今更だが、私の容姿を説明しておこう。 まず、身長は百と八十位。 髪は闇のような漆黒で肩まで届く位の長さで、瞳は血で染めたような赤。 体つきは今で言う、細マッチョ。 顔付きは結構良いとだけ言っておく。 服装は、白のスーツに白のスラックス、同じく白いハットにネクタイは赤、靴は黒い革靴で、手には腰までの長さのあるステッキを持っていて、指には何個かの指輪と、袖の下にリミッター用の腕輪が付けられている。 要は紳士の姿、だ。 この姿はいつになっても変わっていない。 変える必要も無いからだが。 「そういう紫も全く変わら無いではないか。」 「私は妖怪ですもの。 始まりの魔王たる貴方とは比べものにもならないわ。」 「クックックッ、それは違いない。」 小さく笑う私と彼女。 ひとしきり笑い終わると、急に真面目な顔になった紫が問い掛けてきた。 「所で、なのだけど。」 「何だ?」 「貴方、博麗大結界を破ったりしなかった?」 「大結界? …………あぁ、結界か。 こちらに来るときに、つい反射でぶち破ってしまった。 あの結界には名前までつけてたのか。」
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