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 バッ!! と思わず傍らの委員長に振り向く。 「ぬわっ!?」  僕の突然の挙動に委員長は驚き、尻餅こそつかなかったが数歩後ずさった。  それに追い撃ちをかけるように、僕は委員長に歩み寄って問い詰める。 「その日のいつどこでどうやってどういう風に僕を見たのさ? 事細かに説明してよ委員長、ねぇ委員長?」 「おちつ、落ち着け! ちょっと待て整理する時間を・・・」 「答えてよ」  語気を荒げながら、僕は委員長の胸倉を掴む。身長差のせいで、やや見上げる恰好になった。  委員長は狼狽してしばらく目を泳がせたあと、ポツリと。 「倉森が喫茶店・・・『ピアノソナタ』に入ってきたときから。俺、あそこで飯食ってたんだよ」  ――――ほとんど最初から見られてるじゃないか、と僕は委員長の胸倉から手を離しつつ溜息をついた。 「しかし・・・倉森にあんな彼女がいるなんてな? こう言っちゃ悪いが、ほら、倉森ってちょっと暗い感じじゃん? だけどあの彼女の前では全然違うっていうか・・・・・・変な口癖の子だったよな、なんて名前だっけ? あー思い出した! 確か■ちゃ・・・・・・ん゙っ!?」  調子に乗ってべらべらと舌を回し、あろうことか■ちゃんの名前を口にした委員長が、アスファルトに転がった。 原因は僕のアッパーだった。 「っつぅぅ、何すんだお前!」  尻餅をついたままの委員長が喚く。  それを僕は聞き流して、見下ろしながら舌を打った。 「■ちゃんの名前を口にしたらだめだ」 「・・・あ? なんで■ちゃんって呼んじゃ」「口にするなって言ったはず」  言うことを守らなかった委員長の胴体を蹴り上げる。  呻き声を上げながら委員長は蹲った。 「もう一度言うよ。■ちゃんの名前を絶対に呼ばないで欲しい。■ちゃんが周りにいなかったとしても、念には念を入れて」
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