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さて。
正直に答えてくれた委員長に応えて、僕もオネストになりますか。
「あの子は僕の従妹だよ」
「へぇ、倉森は従妹に先輩と呼ばせる趣味あるわけ?」
「・・・あの子は僕のセフレさ」
「セフレ囲える甲斐性なんて無いだろ」
「・・・・・・デリヘルさ」
「街中で会うか普通?」
「援助交際!」
「学生同士で?」
「チッ・・・しぶといね委員長」
「お前・・・・・・ちっとはマシな嘘思いつかねーか?」
五月蝿い奴だ。こちとら嘘をつくのには慣れていないのだ。
もっとも、それは嘘なのが嘘なのが嘘なんだけどね。
・・・だって、本当のことを直感のままに言うだなんて、それでは目を合わせただけで猛る猿と変わりないんじゃないかと思うんだもの。
「・・・・・・仕方ないなあ」
厳しい目を向けて来る委員長に、僕は肩を竦めた。
トン、とアスファルトを踵で叩く。
「結論から言って、あの子は本当に僕の彼女じゃないよ」
委員長は案の定、
「信じられっか」
と苦笑した。
「ソフトクリーム1つを2人で貪ってんのをこの目で見たしな」
ちょっと待て。
「店出てからも見てたの!?」
「見てないとは最初から言ってないだろ」
確かに言ってはいないけど、いや、でも店の外での方が色々と過激だったからできれば見ないでいて欲しかった。それにキス寸前だったのまで見られたのだろうかどうしよう想像以上に恥ずかしい。
「お前の彼女のビンタ、凄まじかったな。三回目が一番気合い入ってたけどさ」
キス寸前だったのも見られたようだ。
「委員長、最近の練炭って煙出ないんだっけ」
「何物騒なこと言ってんだよ・・・」
委員長は嘆息したあと、親が子供にそうするように僕の頭をポンっと優しく叩いた。
身長差のせいで、僕がずっと幼く見えてしまうからそんなことやらないで欲しかった。
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