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動物には三代欲求があると言います。
食事と睡眠と生殖だそうです。
人間も、これらによって常に囚われています。
しかし、古来より、これら三つから脱するが『人の道』と、 多くの人々――――特に哲学者や宗教家と呼ばれる人たちは言い残してきました。
･･･ところが、私にはどうしてもそうは思えないのです。
むしろ人間が身につけてきた、他の動物とは一線を画する特徴は、これら三つのために顕れたのではないのでしょうか。
例えば、言葉。
良い交渉を成立させ、より効率的な食料の確保に役に立ちます。
複数人の食事を歓談で彩ります。
愛を囁きながらの生殖行為は耽美的でしょう。
他にも、人間に特有と謂われている様々なモノに、三欲と繋がらないものはありません。
だから私は、
ただ三欲に溺れるばかりの者も、問題なく人間だと思っています。
そう、言い聞かせています。
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