第一章

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「私…ようやく離婚が成立しました。 認知もしてもらえました。」 「…そうか。よかったな。」 「子どもは…例え子どもが望んでも、父親には会えません。 だから…父親に会いたいって思わない子どもにしなきゃならないんです。」 「…大変…だな。」 「実の父親に会いたくならないように…父親になってくれますか?」 「…え…?」 「ホントは断るつもりでしたが…この子が…望んだんです。」 「ホントに?ほ…ホント?」 「はい。妻は…しばらく遠慮ですが、子どもの親なら…。」 「いや…ウソでも嬉しい…。」 「部長…泣かないでください。」 「え?」 慌てて確認すると、部長も涙を流していた。 それを見て、また涙。 その日は、握手して、ご飯を食べて別々に会社に戻った。 ・
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