第一章 新田 笑美

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やっぱりその中でも人気なのが、 黒 赤 ほとんど売れていた。 父が 『何色がほしい?』 と聞いてくる。 私はいろんな形。 色を見ながら、悩んでいた。 『うーん』 その時、赤、黒、の中に一つだけ黄色のランドセルを見つけた。 とっさに 『これ』 と言った。 『黄色かぁ』 『うん、いい色だね』 『これにしよう』 何で黄色にしたのかもわからない。 父が好きな色は黄色だからだったかもしれない。家はカーテンも黄色。 家の中にある小物はほとんど黄色だった。 でも、最後の一つだった。売れたのか、最初っから一つだったのか? それは今になってもわからない。 父がカバンを持ってレジに行く。店員が 『○○○円になります』と言う。父は財布を取り出し、お金を出そうとする。その時父の手が止まった。 『やべ…お金足りないや』と私に小声で言ってきた。 何か店員は冷たい目で父を見てる。 父はカードを取り出しサインをしていた。 終わった後、 『笑美の買い物ならかーさん怒らないよな』 『怒られたら笑美かばってよ』 と苦笑いで言っていた うちでは、なるべく現金で買うと母と父は約束をしていた。 何かあった時だけカードを使うように渡されていたのだ。 今回もランドセル代は
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