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第一章 新田 笑美
私の名前は新田(にった)笑美(えみ)
この名前を付けてくれたのが父(剛)
名前の由来を母(良美)に聞いたら
どんな時でも笑顔を絶やさず、美しくいてほしいと、父が願い付けたらしい。別にこの名前は嫌いではない。好きな方だ。笑美と言う名前じゃなければ違う人生を歩んでいたかもしれない…
今から話すのは、私の運命を変える二人に出会う前の話。
1. 新田笑美
私の家はいたって普通の家族。
お金持ちでもなく、貧乏でもない。
父はサラリーマン。月々給料があり、年2回ボーナスがある。
私は一人っ子で、父が休みの日は父と遊んでいた。
おままごとしたり、いつも私の遊びに付き合ってくれた父。
そんな父が大好きだった。帰って来る時、
いつも…
『ピンポーンピンポーンガチャガチャ』
と二回ずつする。
これが帰って来た合図。いつも父は、
『なんで鍵開けといてくれないの』と毎回愚痴をこぼしてる。
母は、
『ごめーん忘れてた』
と笑いながら返している。
一回母に
『鍵開けとかないの?』と聞くと
『いいの。気にしないで』
と返される。
これが愛情ならそれでいいし上手く行っていたらそれでいいと思う。
いつも父は帰って来ると、私の頭を大きい手で頭をクシュクシュしてくる。
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