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汽車が規則的な音を鳴らし、頭から黒い煙を出して走っている。煙はゆっくりと青い空に染み込む様に消えていく。
その中に私は居た。
何故私は今このような汽車に乗っているのだろうか。特に思い当たる節はない。
窓は黒く塗り潰されていて、鏡のように私を映し出すだけで外の情報を一切教えてくれない。
顔に刻まれた皺が今までの私の人生を語る。
――まもなく、○×小学校です
汽車は徐々に速度をおとして止まった。
空気を漏らすような音とともにドアが開く。
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