序章 不思議な力と転校生

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さて、後は下に降りるだけなのだが…………めちゃくちゃ恐い。 世間で属に言う高所恐怖症を抱えている訳ですよ、私は。 「ふえ~~ん。どうしよう? 誰か助け……、きゃあっ!?」 猫を抱いていたため、片手で木にしがみ付いていたのだが……、見事に手が滑ってしまった。 支える力を失った体が後ろに沈んでいく。このまま自由落下すれば、堅固なアスファルトに叩きつけられるのは免れない。 私は思わず目を閉ざした。強烈な衝撃が襲ってくるその瞬間を覚悟して。 ところが――。 「って、あれ?」 何故か突然、自分の体が減速し始めた。何と言うか下から全身を支えられているような感覚だ。 私は不思議な力に包まれながら落下する。
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