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「父上ぇぇぇぇっ!」
「ジークよ…この国を…頼…」
少年は端正な顔を青ざめながら絶叫していた。
心臓を突き刺された父親の元へ駆けつけようとするが騎士によって阻止され、抵抗するが相手は2人がかりで引きずられながら自分の城から城下町から逃げて行った
・ ・ ・
「なぁ、仕事ないか?」
ツァイスは途中、旅の情報屋に依頼がないかと尋ねていた
そう…あの胃袋が怪獣並みにある少女のせいで財布はすっからかんなのだ
―ろくに買い物も出来やしねぇ
全部食費と化してしまうからだ
「じゃあ一応依頼一覧表を転送するぞ?」
「さんきゅ…っと」
表示された依頼の中で目を疑うものがあった
「おい…嘘だろ?城が攻め落とされたって?」
「いやぁ…ここ最近謎の集団が三大国に宣戦布告したとかで…多分それで…」
情報屋は確かな情報を掴めていないようで言葉を濁していた
この世界は3つの国によって治められている、どう分けられているかと言うと円グラフを三等分に分けた感じだ
今ここが希望の国エルトラム、望郷の国サジャエナそして、勇望の国ヴェルディ。
「その依頼…オレが受ける」
「止めとけ、危険度はSランクだぞ!?」
一番危険性のあるランクだ
しばらくの沈黙の中で情報屋がぼそりと言う
「第一王位継承者がどこかに逃げたという情報がある、調べてみるといい」
「!…助かる」
ツァイスは礼を言ってから走ってバイク付近で読書をしていたノヴァに近づく
ちなみに本は全て情報化され廃棄処分の要らない本から二、三冊頂戴したのだ
ま、要するに捨ててあった本だ
「悪いノヴァ!行くとこが出来ちまった」
パタンと本を閉じて彼女は言う
「いや、私はともかく世界を巡りたいのだ。その間に用事が増えたとしても異論は無い」
助かる、とツァイスは告げてバイクに乗りノヴァが掴まったのを確認して走り出した
―ジーク!無事でいろよ!!
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