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自分がただ嘆いているだけなのをわかっていた
―そうだ、僕はただ現実に目を向けているフリをして目を背けていた
「自分にしか出来ない事がある、昔にどこかの誰かが私に言った言葉だ。」
「!」
「ノヴァ…お前」
私は本を読む、と言ってノヴァはその場から離れて木の近くに座って本を読んでいた
「彼女はきっと僕みたいな時があったんだね…」
苦笑しながらジークは薄暗くなった空を見た
「その癖直せ!」
「?」
首を傾げてツァイスを見た
「1人で抱え込むな!何の為にオレや今はいねーけどクロノがいると思うんだ…あの誓い忘れたのか!」
ジークは少しの間、絶句したが目を閉じて微笑んだ
―忘れていた大切な親友を…誓ったじゃないか僕らはいつでも助け合うと
「あの誓い覚えていたんだ…」
長い時が誓いを忘れさせていた
「ん?まぁな」
「もう大丈夫。僕は誓いを思い出したから」
―僕は1人じゃない
それだけで希望が持てた
・ ・ ・
「…………」
―少し感情的になり過ぎたか
昔の自分と彼を重ねていたのかもしれない
あの言葉には続きがある
『1人じゃあ出来ない時はオレが傍にいる事を思い出せ、お前は1人じゃないんだ』
「ベクトル…」
そう呟いて彼女は目を閉じた
・ ・ ・
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