始まりの時

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―この手錠までもが最新の… 噂で最新式の厳重プロテクトが開発されたとか聞いてはいたが 「あの門のプロテクトといいなんでこんなにめんどくさいんだよ!!」 「うるさいぞ!!」 見張りの兵士から叱責を受ける 「うっせぇ!!」 牢屋の目の前に来た兵士を見た瞬間思いついた 「なぁ、腹減った」 「はぁ?」 怪訝そうな顔でこちらを見てくる兵士にツァイスは言う 「実はポケットにガムがあるからとってくんねぇ?」 「そんなの自分で取れ」 手錠を見せて無理と言うのを証明する ため息をこぼし、格子から手を伸ばして兵士はツァイスのポケットに届きそうになった所でツァイスはその手を掴む 「なっ!」 「悪いな兵士殿」 ツァイスがニヤリと笑うとその手錠は簡単に解錠された 「オレは情報士なんでね」 その腕を無理矢理引っ張り手刀で気絶させる 兵士の腰に下げてあった解除キーを取り牢屋から出る 「オレの武器は…」 辺りを探してみると 装備一式が適当に置いてあった 「これだから量産品ばっか使ってる奴等は」 武器に傷がついてないか調べ、装備する 「にしても今日のオレ人生最大の運の無さだろ」 ツァイスは上に目線をやる 通気口がある 「ま、適当に行ってればなんとかなるだろ」
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