序章

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 きらびやかな世界はまるでドラマか何かだ。  会場、招待客、料理、交わされる会話……どれを取ってもお上品そのもの。 (あ~、だっるい…………)  そんなパーティーの片隅、壁際でケーキをつつきながら私は心の中だけでため息をついた。  あくまでも内心で。露骨に嫌な顔をできないのにはそれなりの理由がある。 (何だかな~、もう)  仰いだ天は、これまた豪奢なシャンデリアがこちらを見下ろしていた。 .
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