私なんて必要ない

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「…私は誰で、なんのためここに居るの?」 ベッドにボフッと横になりながらも呟くが こたえなど返ってこない。 虚無感に襲われ 「あーもぅ!!!!!こうなりゃあ本当にこんな家でっててやるー」 勢いよくまとめた荷物を持ち夜の闇へと消えた。 「く、暗闇なんかこわくないぞぁ!?あ……?」 不意に足が地面につかない位置を感じたが刻すでに遅しそのまま滑り落ちるように何処かへ放り出され 「うわぁあああぁぁあああ!!!!!←叫」 やっと地面らしき所に落ちたが、落ちたときに頭でも打ったのだろうか 鈍い痛みが走り霞んで見えた視界も暗くてよく分からないまま意識を手放した 日の光がサンサンと照らし青い空が気持ちの良い風を運んでいる中 「この子、異人ですかね?にしてはずいぶんきれいな子です…えーっと、起きてくれます?」 ユサユサと倒れていた沙織を揺すり起こして 「ん……?…」 ボヤーとする視界を凝らし相手を見ていると 「あ、起きました?」 『あの……誰ですか?』 「…僕は新選組組長沖田総司です」 『……新選組…?』 顔立ちが可愛くしかしその背の高さと体つきが男だと分かる 沖田総司と名乗る男が私に声をかけていて思わず聞き返してしまった。 「新選組を知らないのですか…?」 目を丸くしながら私を見てくるので覚醒してくる頭で即に理解することにしたのである。 沖田総司と言えば先程自分が行きたいと言った時代を駆けた人の一人だ。 まさかとは思いつつも聞いてみることにして 『あの、もしかして…今、江戸時代なんですか…?』 「……?ここは京の町、京都ですよ?」 『あ…え!?えぇえぇええ!!!!!←叫』 やはりここは、幕末の京の町 新選組の人がが生きた時代であることが確定した。 叫び癖のある沙織はその事にとにかく口をパクパクしていたが 沖田さんはそんな時間も許さず 「とにかく訳ありのようですし屯所に来てもらえますか?」 言ってる言葉は疑問詞なのに既に腕を捕まれやや強引に引きずられていき ちょww 痛いッス! 今あった出来事を軽く吹っ飛ばすくらいの痛みが走り 涙目になりながらもなんとか引きづられないように歩くことに成功して 屯所に向かうことになったどうやら一緒に落ちた荷物は他の人が運んでくれているようだった。
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