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あかんっ
バレてしもた
どないしょ
さっきからピクリとも動かないライ
「槐、覚えとけよ」
口角を左右にあげ
漆黒の翼を羽ばたかせ
wは闇に紛れた
「あかんっ、ライが殺されたらどないしよ」
さっきから心配するのは
ラ イ の 事 ば か り
wを裏切った罪悪感より
wの怒りをかった事より
うちの身の危険より
ラ イ が 気 に な っ て
仕 方 が な い
wが帰って来たんは2時間後くらい
「あ、」
wの紫色の髪も黒い翼も白い肌にも
紅黒い跡がついていた
wは頬についている血を親指で掬いペロリとなめた
「なぁ、槐」
wの声に反応できひんかった
ソ ノ 返 リ 血 ハ 誰 ノ モ ノ ナ ン ?
「槐、天使が気になるか?」
自分の紫色の髪をぐしゃりと掴み
うちに問うてきた
頭をぐしゃりと掴むのは醜い不幸を嘆く人の声がwの中に沢山聞こえてる合図
うちはそん時いつも
w大丈夫や、うちが居るからね。
って言ってwに抱きつくのに
そんな事すら出来ない程パニくっていた
「槐、答..えろ、」
ぐらりと目の前に居る身体が傾いた
パタリと倒れたまま
動かないw
一瞬ライを殺したwを殺してやろうかと
テーブルにあったナイフを握り締めた
初 め て 会 っ た 天 使 に ライ
に う ち 一 目 惚 れ し た ん
や ね
ナイフを振りかざす時そう思た
だって
大 好 き な w を う ち は 殺
そ う と し て る ん や も ん
ぐっとwの喉に刃をあてる
「殺すのか?」
薄目のw
苦しいのか荒い息を繰り返す
「ぉん、殺してしまおう思てん。うちライに一目惚れしたみたいやわ」
苦笑混じりに喋るうちの頬をスーとなでる
冷たいのに暖かくて大きくて安心するwの手
「やるなら一思いにな」
ゆっくりと目を閉じたw
あぁ、そか
wは死ぬ事望んでんねんなぁ
せやけど…殺してもwは生き返ってしまうんやね
「一思いにやってもw生き返るやん」
「あぁ、そうだったな」
苦笑混じりの声にwはゆっくり目を開けて
微笑んだ
あかん
うちwの事殺されへんわ
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