=灰色

4/12
前へ
/25ページ
次へ
「なぁ、w怒ってる?」 今はwと入浴中 広い広いお風呂にぽつりと居る2人 なんだか寂しいなぁ 「怒ってる」 「そりゃそーやな、嘘ついたあげくwを殺そうとしたんやもん」 血を洗い流してるw その背中を見つめて小さく呟いた 「w堪忍してや?」 うち、ライが好きになってしもてん せやから...ちょっと取り乱して 感情が麻痺ってたんや wを殺そうだなんて 「許さない」 いつもなら、仕方ないなって苦笑いしながら許してくれるのに よっぽど怒ってるみたいやね 「俺が何に怒ってるのか分かってないだろう?」 顎を捕らえられ 目線がwと絡まる 真っ赤な瞳は冷たく射ぬくようにうちを見てた 「殺そうとした事やろ?」 「違う」 ぇ、違うん? ほんなら何に怒ってんやろ? 「嘘ついた事?」 「そうだよ」 ぇ、可笑しない? 殺そうになった事より 嘘つかれたほうが怒るなんて 普通逆やろ? 「なんで初めからちゃんと言わなかった?」 「wは天使キライやん」 wが天使の事なんとも思ってなかったら最初から言ってたもん 「天使がキライなんじゃなくて眩しい者がキライなんだよ」 つまり天使もキライつー事やろ 「せやかて、前に憎い純白の生き物ゆーてたやんかっ」 初めてうちに絵本を見せてくれた時に wは顔を歪めてそー言ってたもん 「あぁ、言ってたかもな。あの白色よごしたくなる」 目の前で何かを握り潰す動作をする 「だが、お前が好きになった奴なら別だ。俺だって聞き分けのないガキじゃない」 って言いながら食堂でめちゃくちゃ怒ってたやん 「食堂でめちゃくちゃ怒ってたやんけ」 思わず口に出す 「それはお前が好きになったと知る前だからだ」 そんなん言ったって、wが血まみれで帰ってきた時 気づいたんやもん どー伝えれ言うんよ 「槐、いいな?俺には嘘をつくな。下界では俺の存在は絶対だ、次嘘をついたらお前を... 殺 す 」 真っ赤な瞳 色の映らないような冷たい瞳 せやけど、うち知ってんねん 瞳を覗いたら分かる wの赤く冷たい瞳の奥にはいつも うちを心配してる色が伺える 誰かを思いやる優しい色があんねん 「約束する。」 wを悲しませたらあかん
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加