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しばらく黒髏の部屋でくつろいでいたら
屋敷ないに悲鳴が響き渡った
なんの音
だれの声
高く響き渡る音に低く大きい声
そっと槐を抱き締めた
「なんやろ?」
好奇心と不安が入り交じった目で見つめてきた
「さぁ、分からないわ」
私は下界には詳しくない
何がおってるのか分からないわ
ゆっくりと部屋の扉があけられ
見えたのは
お 父 様 ― ..
「ライよここに居ったか。」
ふわりと微笑むと私の中にいた槐に目をうつした
「紅羽の悪魔―...」
ぽつりとそう吐くといきなり手をかざした
全知全能の神ゼウス
彼と死神だけに許された権利
「 命 の 剥 奪 」
そう呟いたのは
私でもお父様でも槐でもなかった
「w!?」
槐の叫び声
目の前を蠢いた紫の髪
「黒髏―...なんで?」
ぴくりとも動かない喉元
息をしない胸
死んでしまった....
不死の命を持つ彼がぴくりとも動かない
「いやや!!!w目あけーやっ!」
大きな瞳からは涙がこぼれ落ちる
「wおきてや、」
ぎゅっと黒髏の服を掴む槐
槐の目から落ちた雫は
黒髏の服を濡らしてく
「ライ、わしと一緒に帰ろう」
お父様が私に向かい手をさしだす
「ライ、」
槐の濡れた瞳が私を見つめる
どくん、どくん
どく、どく、どく
心臓の音がやけに耳に響く
喉が渇いて声がでない
「槐を置いてくのか?」
低いテノールボイスが不意に静寂を裂いた
「w!!生きとったん?」
ぎゅーっと抱きついてる槐
チ ク チ ク イ ラ イ ラ
「置いてかないわ」
「ライ...?何を言って居るのじゃ?」
震えたお父様の声
槐に向けられた明らかな殺気
私に向けられた視線
「お父様―...私は禁罰を侵しました。天界には帰れません」
悪 魔 を 愛 し て し ま っ た
「あぁ可哀想なライ、わしが助けてやる」
ゆっくり微笑むと
槐めがけ手をかざした
光が槐の体に入り込みパタリと倒れた
「ほら、これで大丈夫じゃよ」
お父様は私の手を引き
空に羽ばたいた
「ぃゃ....いや!槐っ!!かいーぃー!!!!!」
私の声だけが薄暗い下界に響き渡った
天界に無理やり連れて来られた私は
城の一室に幽閉された―...
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