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目の前にいる槐ちゃんは頭をひねり考えてる
想像してたより怖くない悪魔さん
むしろ、可愛いと思ったわ
「だって...本で見たわ。透き通るような白い肌、射ぬくような赤い瞳、稀な紫色の髪、漆黒の美しい翼、とても綺麗な声、人を魅了する残酷な悪魔だって」
本の内容を思い出し喋る
何か心当たりがあったのか
眉を少し潜めた槐ちゃん
本にうつってた忌まわしの黒髏は
とても綺麗だった
「そんな奴しらんわ」
しばらく考えた後
そっけなくそう言った
「そう..きっと臆病者なのね」
「さぁ、知らへん」
あきらかに苛ついた表情と
ぶっきらぼうな言葉
きっと、忌まわしの黒髏は槐ちゃんにとって大切な人で
私に臆病者だと言われたのがムカついたんだわ
「でも、あんなに綺麗な悪魔なら見てみたかった気もするわ、ふふ」
窓の外には蒼色がかった月うかんでた
ちらりと横を向くと
下を向き月に照らされてる槐ちゃん
と て も 綺 麗 だ と 思 っ た
「会わせたろか?」
飴色の瞳が私を射ぬいた
「知らないんじゃないの?」
知らへんって言ってたのに
会わせたろか?だなんて矛盾だらけね
「忌まわしの黒髏は知らへんねんけど…よく似た奴なら知ってる。」
なるほどね、
ふふ、忌まわしの黒髏によく似た人
「会ってみたいわ」
「ほんならこれ着て、それから頭のわっか隠されへん?」
渡された黒いローブ
それから指をさしてきた
「んー、こればかりはどうにも出来ないわ」
輪なんてとれないしどうしようもない
「じゃぁローブで隠して」
そういうと背伸びして私の頭にローブのフードをかぶせた
「それから、会っても恐がらんといてあげてな?」
少し潤んだ瞳
固く握られた手
締められた唇
なんだか胸が締め付けられた
「恐がらないわ。だって悪魔はこんなに可愛らしいんだもの」
槐の頬をすーと撫でた
「おおきに、ほんなら行こか」
にっこりと微笑んだ槐
可 愛 ら し い わ ね 。
「あ、まって...私これじゃ翼が出ないわ」
ローブが邪魔になって翼がでてこない
「あぁ、こーするから翼はでなくてえぇ」
そういうと槐に担ぎあげられた
「普通、逆じゃないかしら」
私の方が背丈は大きいのに
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