18人が本棚に入れています
本棚に追加
それは、午後。
お昼休みに購買部へ行った俺は、見知った彼女がジュースの自販機の前に立ち尽くしている姿とかち合った。
眉根を寄せて難しい表情の眼鏡をかけた少女が、黙って自販機を見つめている姿は、お世辞にも可愛いものとはいえない。しかし、どこかコミカルで、こっちが声をかけてしまったのは仕方のないことだと思う。
「何、睨んでるの。横井(よこい)さん」
彼女は、やっと俺に気付いた。
「あれ、飯田(いいだ)君。飯田君もジュース買いにきたの?」
最初のコメントを投稿しよう!