気まぐれな午後

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 「俺はノートを買いに。それより、どうしたの」  「それがね」彼女は困った表情で俺を見上げて「ジュースを買おうと思ったら、小銭がなくて、千円札を使おうとしたんだけど」  そして彼女が指差した先には、『札使用中止』『おつりがありません』の文章が赤く灯っていた。  「あー…らら」  「ついてないよぉ」  別のところで小銭に崩せばいいのに。そんな考えも頭をよぎった俺だったが、真顔で困っている彼女にそんな意地悪も言えなくて。  「何を飲みたいの」  「オレンジ」
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