―2人―

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「はー」 吐いた息は白く濁り夜空へと消えていく。 一瞬で消えてしまう吐息に儚さを感じたりなんてしながら、私は友人を待っていた。 空は澄み渡り、たくさんの星が輝いている。 時刻は11時36分。 待ち合わせは11時30分のはずなんだけどな。 「ふぅ」 風が無いのが幸いだった。 私は首に巻いたマフラーをぎゅっと握りしめる。 これは今待ち合わせをしている友人から貰った初めてのプレゼント。 友人は「もうボロボロなんだから捨てちゃいなよ。」なんて言うけど、私にとってこれは大切な思い出の品。 今もこれのおかげで寒くなんてない。むしろ暖かさを感じるくらいだ。 ただ、そんなこと言ったらからかわれるだろうから、あの子にはデザインが気に入ってるから使ってるだけって言ってあるけど。 時間が流れる。 月が優しく輝いている。 時刻は11時50分。 さすがに私も寒さを感じてきた。 辺りを見回すが、人影は見当たらない。 でも、代わりにいいものが目に入った。 「雪……」
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