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「こちらの用件は1つ。何回も言うが〝学園長をだせ〟。素直にだしてくれたらさっきの写メは削除する。どうだ? フェアな取引だろ?」
「どこがフェアだ! 私を磔にしそんな脅しまで使ってチミ達はーー『あれれー。手が滑っちゃいそうだねー。(棒読み。んでもって今にも完了の文字をクリックしようとしてる)』ーー待て!『待て?』……待ってください。ほんとお願いします。それだけは勘弁してください」
ペコペコと頭を下げるヅラ。隣の蒼希が「なんという外道」とか呟いた気がするけど、それは君もだろう? まぁ否定はしないけど。
しかしこれで取引は成立したに等しいな。あとは学園長の居場所を聞き出し、不意打ちを仕掛けミッションコンプリートだ。
フフフ……。学園を乗っ取ったらなにをしようかなぁ……。
「……あの、すいません。学園長……居場所わかりません」
なん、だと……?
「あー! ストップ! クリックしないで! ほんとお願いしますから!」
地に落ちた権力者のなんと情けないこと。
俺はプルプルと今にも押してしまいそうな指を……じゃなくて、学園長の居場所を知らない?
そんなバーローな。自称教頭的存在で今ここ、学園長室にいるヅラ野郎が?
そんなバーローな。
大事なことなので二回心の中で呟いてみた。
「ならなんでここにいるのかな? 学園長に呼ばれたからじゃないの?」
ナイス蒼希。いい質問だ。いや、尋問だ。
「……それは。……仕方ないですねぇ。もうこんな状況じゃ隠せない。チミ達に教えて差し上げますよ」
急にククク……といかにも中二病患者な笑いをするヅラ。
え? なにこの展開?
マジでクライマックスじゃね?
俺は一応蒼希を庇うように前にたち、ヅラが口を開くのを待った。
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