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「私はねぇ……この学園……いえ、学園長の財産が目的なんですよ。ククク……。一生遊んで暮らしても有り余る金。ほしいと思わないわけがないでしょう?」
……想像の斜め上をいきそうで想像以下のようなありきたりなお言葉をいただきました。
理解したくないがこのヅラ爺は、想像以上にゲスらしい。これだから汚い大人は……。金目的で学園長を? はん! 美学がない。だからヅラなんだよ。
「しかし……そうですねぇ。チミ達とは利害が一致するんじゃないですか? 先ほどのチミ達が言った目的……学園乗っ取りなのでしょう? 私は学園長抹殺。……どうです? 私と手を組むということは」
ニヤニヤした汚い大人が目に映る。
これならさっきの蛸頭ヅラ眼鏡爺の方がましだったな。うん。社会的抹殺決定だ。
「押しちまえ蒼希」
「はいさ~」
カチッ
「なっ!?」
ハゲの目の前のパソコンの画面が変わる。
そいつ自身の写真へと。
……てか蒼希。携帯の画面も不愉快な画像から変わらないんだが。あらゆるモニターって俺達も対象だったのか? これ……あとで消えるよな?
「な、なぜです! チミ達にとっても悪い話ではないでしょう!? 相手は学園長! 味方は1人でも多い方が……!」
「黙れ」
「うるさいよ?」
「ぐっ……」
俺達2人の威圧に押し黙るハゲ。こちとら携帯が邪悪な物に見えてきて苛立ってんだよ。
だが……社会的抹殺よりも断ったことに反応するんだな……。どうやらよほど断らないと思ってたらしい。
ククク……とか言い出すキャラのクセに生意気だな。もし俺に某吸血鬼のように裏モードがあれば、身の程をしれと言ってるに違いない。
まぁなにが言いたいかというと、とどのつまり所詮貴様など名無しで消えゆく存在なんだ。
そんな感じにそろそろトドメでもーと考えてた時だった。
バーン!
勢いよく開く扉。
おいおい……、マジで展開が急すぎんぞ!
あ、いきなり学園長室に乗り込んだ事実はスルーで。
……って、そんなこと言っとる場合じゃない! 運がいいことにまだ戦闘モードは解除されてないな……。ここは逃げの一手!
「ーー足下注意!」
俺は俺と蒼希の足下に落とし穴を発動し穴を塞いだ。屋上一軒家の床下に潜むってのはたぶん過去にも未来にも俺達ぐらいだろうな。
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