その学園、凶悪につき

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「能力発動。ーー存在否定」 「なっ!? い、いやだ! それだけは! それだけはーーーー!!!」 「厄界学園、教頭的存在。てめーのありとあらゆる名称をーー削除する」 ……能力はわからんが異常にひどいことを言ってーー その瞬間だった。 先ほどまで俺達がいじめていたハゲが醜い化け物になったのは。そして次にはーー 「ウッ!? わ、私の体ガ!? イ、いヤダ! 消えタクない! 消エたくナいィィィぃィ!!!」 消えていく。その存在が。跡形もなく。 嘘、だろ? え? それが学園長の能力……? 「ふんっ! 私の楽しみを邪魔するからこうなるです。もう名前も思い出せませんけど、一応さよならの言葉は土産に送っといてやるです」 幼げな声は悪意など感じられず、でも怖ろしげで矛盾した恐怖を感じさせた。 いや、それよりも名前も思い出せませんけど……? さっきまで目の前にいたやつだぞ? いくら記憶力がないやつでもそんなことが…………あれ? 名前……え? 〝誰だったんだあいつ?〟 誰? いや、俺は誰を思い出したいんだ? 俺はそこでなぜか携帯を開いていた。いつもと変わらない普通の待ち受けが目に映る。……俺は何を確認したかったんだ? ……もう一度穴から学園長室を覗く。 そこにはただロリ学園長がいるだけで普通で普通な学園長室だった。 磔なんてないし、パソコンだってちゃんとした向きで……って俺はなにに注目して……。 そこに……、〝誰か〟いたのか……? 俺はもうなにがなんだかわからなくなっていた。
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