その学園、凶悪につき

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『学園長をだせ』 「………………は?」 ここは学園長室。意味不明に屋上に建ててある一軒家だ。 あの日お互いに何かを感じ取って、一瞬にして意気投合した俺ら2人はとりあえず乗っ取る為に学園長室にきたってわけだ。面倒は嫌だからな。いきなりクライマックスだ。 ……てか今思ったが、一軒家だ。室というより家なのか? 学園長家。 どうみても墓場にしか感じられんな。学園長室でいいや。まぁ、後数分で墓標になることに間違いはないが。 「……いきなりなんなのだねチミ達は」 しかし目の前のヅラ野郎だ。ヅラ野郎で眼鏡野郎だ。 非常に目に悪い。いや、もはや環境に悪い。 隣の蒼希も見るからに嫌そうな顔をしている。うん。俺も嫌だ。 「チミ達程度が学園長にお会いしたいなど片腹痛いです。早々に立ち去りなさい」 人を指さすな。それとこっち見んな。 あ、ちなみにヅラ眼鏡は教頭的立場だ。自称な。 だが……そろそろ俺達も我慢の限界だ。 「能力発動。ーー磔の髑髏」 「なっ!?」 抵抗する暇も与えず、ヅラ眼鏡を磔にして一切の身動きのできないよう拘束する。拘束してから抵抗しても遅いですよ先生? 「チ、チミ達! 教員に手を出すということが何の意味を示すかーーーー」 「能力発動。ーーそよ風の悪戯」 室内であるはずのこの場所にそよ風が吹く。 そよ風はヅラ眼鏡に向かって全方位から下から上に向かって吹いている。 ヅラがプルプルと震え出す。 俺はこみ上げる笑いをなんとか抑え、自称教頭的ヅラ眼鏡に問いかける。 「なぁ先生。俺達は学園長をだせと言ったんだ。プッ……。あ、あんたの言葉なんて聞きたかねーんだ」 「うんうん。あんたみたいな三下じゃ……ププッ……私達の目的は達せられないんだよね」 「……何が言いたい」 抵抗を止めおとなしくなったヅラ眼鏡が悔しそうな顔をしてこっちを睨んでくる。真っ赤な茹で蛸みたいな色して。 そしてその時はきた。 抵抗をやめたことにより、なんとか頭にへばりついていたヅラは宙に浮いた。 蛸頭のヅラ眼鏡の頭上にヅラが浮いている。 あ、あかん……! これはこらえられへんわ……ッ! しかし俺は震える手でなんとかそのボタンを押した。 ピロリロリン♪ 「先生。あんたのその姿……写メに撮らせていただきやした」 外道? あまり誉めてくれるな。
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