夢枕

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わりかし新しいワンルームマンション。 部屋の中は、ブサイク女には似合わない、ピンクの小物であふれかえっていた。 「パソコン、これ。」 無愛想に言うゆぅニャンに、笑顔で頷く俺。 俺はなんて礼儀正しいんだ。 持ってきたドライバーを取り出し、本体のカバーを外すと、あるわあるわ… 中はホコリが密集していた。 「…あの…掃除機と…ブラシ…みたいな…あの…ホコリ取れるようなの…貸して…くれないかな…」 ハッキリ喋れよ!俺! 「わかった。掃除機ね。あとは、使いふるした歯ブラシがあるけど。それでいい?」 「うん…」 俺は手際よくパソコンのホコリを取り、カバーをつけて、電源を入れた。 「わ!カタカタ鳴らなくなった」 ゆぅニャンは嬉しそうに言い 「コーヒー入れたから飲む?」 と聞いてきた。 「あ…じゃ…いただこうかな…」 コーヒーを飲みながら、少し話をして、俺は帰ろうと立ち上がった。
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