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予想を遥かに上回るキモさ(モザイクをかけたいぐらい)の稲葉は、やはり強烈だった。
目の保養に…と、俺は、稲葉と同時に猫耳を装着したであろう長嶺の方へとさりげなく目をやった。
「…お、おお…」
俺は思わず、感嘆の声をあげた。
そこには、さっきの稲葉とは天と地、月と鼈といっても過言では無いぐらいに可愛らしく、こう言ってはなんだが、猫耳が似合う長嶺の可愛らしい姿があった。
「な…長嶺…にゃ…にゃんって…にゃんって言ってみて」
「何ですって?ジャン?」
「誰だよ!?」
イマイチ理解していない長嶺に、俺はもう一度、「にゃん」と言って貰うよう交渉した。
「にゃん?…別に良いけど」
「じゃあ是非お願いします!」
「にゃん」
「うっ…」
可愛い…!
可愛い過ぎるぞ、長嶺…!
ここまで猫耳が似合うのは俺が知る限り多分け●おん!のあ●にゃんぐらいだ…
それぐらい長嶺と猫耳というのは見事なマッチだった。
「…高木よ。いいものを見せて貰ったよ。感謝する」
「いえいえ。最初からあの電波な先輩は猫耳が似合うと思ってたんです。ところで先輩誰ですか?」
「俺は凪という軽音部の副部長をやっている者だ。高木君。是非軽音部に入部してくれないか」
「構いませんけど先輩。ものを頼む時はそれなりの対応というのがあるんじゃないですか?」
そう言い、高木は俺の両手を握り締め…ん?
「わかりますよね?」
俺の両手に、稲葉・長嶺が現在装着しているのと同じ猫耳がそっと握らされていた。
「…高木君」
「はい?」
「これはそういう事なのか?」
「そういう事です(笑)…大丈夫ですよ。嘘はここ30分ついていません(泣)」
嘘をついていないという期間が月・日・時間単位を通り越して分単位かよ!…とか、その(笑)を止めろ!とかなんで最後は(泣)なんだよ!とか言いたい事は大量にあったが、俺は…
「そ…装着…」
やってしまった。
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