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『すーちゃぁああん!! し、白ちゃんが猥褻物陳列罪で補導されたって…! ああ!! 白ちゃん!! すーちゃんが猥褻物陳列罪で補導されたって……!!』
息を弾ませながら、女の子は両手をパタパタと動かしている。
この珍妙な生物、ではなく女の子は真石夢華(17)。
俺との関係は、白夜と同じ幼馴染に該当する。
性格、性格は一言で言うなら変なやつ。一文字で言うなら変、である。
どっちにしても変なのには変わらない、これだけの文章で変という字を四回も使ってしまった。胸は普通。
彼女なりに、どれほどの緊急事態かを表現しようとしてるのだろうけど、申し訳ないが、その光景はあまりに微笑ましいものだった。
必死で空を飛ぼうとしているようにも見える。
津波が襲ってきた! という状況でも、この調子で説明されたら、そうかそうか。と微笑んでるうちに波に呑まれてしまいそうだ。
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