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『…もう良いか。行こうぜ』
白夜に対して片手を上げる。
争いは何も生み出さない。昨日の敵は今日の友。
『うん、面白かったね。またやろう』
白夜もそれに笑顔で応じた。
そうして俺たちは朝の平和な風景に溶けていくのだった。
『いいかがんにしろっ!!』
後方からドロップキックを喰らった。衝撃で前につんのめる。
『夢華。行儀が悪いぞ。お父さんそんな子に育てた覚えは無い。白夜、教育はお前に任せただろう? それと夢華が噛んだ』
『あらあら。二言目には仕事仕事って。なら、言わせてもらいますけどね、こないだ会社の麗華って女の人から電話があったわよ? 毎日残業大変そうねえ。そりゃ、子育てする暇もないでしょうよ。新人の子の教育で手一杯なんですものね。それと夢ちゃん噛んだね』
『こんのっ! いつまで夫婦漫才してるのさ!! もうっ…ううっ…うわああーん!!』
夢華が泣き出してしまった。
やりすぎたか。
白夜にさっと目配せすると、彼女はぎゅうっと夢華を抱きしめた。
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