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で、軽く自己紹介しながら、歩くか。
「俺の名前ははざ…」
「でさー…俺の家今日誰も居ないんだよねー」
「うそー! 私の家も誰も居ないよー!」
「えー!! 俺んとこ親戚の家も誰も居ないんだよねー!」
「うそー!! 私ん家、犬小屋にも誰も居ないよー!!」
後ろから何やら会話が聞こえてくる。男と女。当たり前。世界には男と女しかいないもんね。
穴と棒しかないもんね。棒が穴に出会ったら、特攻するしかないよね。
聞き耳を立てるに、そういう会話らしい。
はいはい、嫉妬嫉妬。
はいはい、憎悪憎悪。
「えー!! じゃあここは犬小屋で行っておく?」
「うん…私よしつぐ君とだったら豚小屋でも良いよお」
自分を追い越していく二つの人影を、俺は内心びくびくしながら見送る。
今ほど、かめはめ波が撃ちたいと思った時は無かった。
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