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浮気乙、その文字を見て、僕は全てを理解した。
真実と有実は、全てを話したのだ。
その結果、昨日までの僕と真実の位置は入れ替わり、いじめの対象は僕になった。
諸悪の根源も、全て僕になったというわけか……。
力無く、僕は椅子に腰をかけた。
いつの間にか、涙が溢れてきている。それが、落書きをされた机の上にポタポタと落ちて、水性で書かれた“死ね”の文字を滲ませた。
真実も、有実も、僕を裏切ったのだ。
ごめんねの一言も、何もない、呆気ない友情の幕切れだった。
現実は汚い、人間は汚い。
当時、十四歳だった僕はそれを思い知った。
こんな世界なんて、もういらない。
居たくない。
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